03_乱鴉の島

乱鴉の島

乱鴉の島

この小説はスレンダーだ。無駄がまったく感じられない。有栖川有栖が書きたかったのは「本格ミステリ」なんだとストレートに伝わってくる。孤島という状況設定、必要最低限のペダンティック、ほんのちょっぴりの現代社会への皮肉、謎の提示、張られた伏線、伏線の回収、そして謎解き。これだけの題材があれば、素晴らしいミステリが完成するのだ。これがこの本を読んだ感想だ。
私ごときが四の五の言うよりも、是非一読して、スレンダーな本格ミステリを堪能してほしい。

2006/06/27 asuka