53_修道院の第二の殺人
- 作者: アランナ・ナイト,法村里絵
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2012/03/10
- メディア: 文庫
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警察官であるファロは、絞首刑直前の殺人犯のハイムズが2つの殺人事件のうちのひとつは自分が犯人であることを認めたが、ふたつ目の犯行は頑なに拒否する姿を見て、疑問をもつ。ハイムズの刑が執行された直後、重病をおしてハイムズの双子の妹が、ふたつ目の殺人事件の真相究明をファロに託す。ファロの義理の息子ヴィンスと再捜査を開始する。
ポール・ドハディの修道士アセルスタンみたいな作風かと思ってましたが、全然違いました。ドハディほど硬派な歴史ミステリではなく、舞台がヴィクトリア朝時代であるだけで、歴史云々は特にストーリーに絡んでません。ミステリ的にも淡白な感じは否めませんが、ファロとヴィンスのキャラクタが生き生きとしているせいか、読みにくさもなく、ハードルの低いミステリに仕上がっています。本作はシリーズ第1作だったこともあり、助走的な印象を受け増したが、訳者あとがきで第2弾は歴史ミステリ好きを虜にさせるできばえということなので、そちらも期待しましょう。まったく余談ですが、ファロ・ヴィンスがファイロ・ヴァンスに見えるのはカタカナの魔法でしょうか。
2012/03/21 asuka